「 それは、今から美琴ちゃんが決めるのよ 」


笑顔のお母様を前に、また混乱する。


20歳までにお相手を見つけさえすれば、

私の好きな方と結婚できる…?


頭にはてなが浮かんだままの私を見て、

お母様が微笑みながら説明してくれた。


「 ほらー、お嬢様の定番といえば、

親が勝手に決めた相手との結婚じゃない?

それじゃあ美琴ちゃんは、その方のことを

好きになれないかもしれないじゃなぁい!

私そんなの絶対に嫌よ?

結婚するなら、好きな方としなきゃ!

だから、結婚相手は、美琴ちゃんに

決めてもらうことにしたの。

大丈夫よ!!候補の方は、皆様本当に

素晴らしい方々だからっ!! 」


候補の方…と言うことは、

私が好きになった方と結婚できる、

と言うわけではないのね…。


お母様のお心遣いも分かるけど、

少し悲しくなる。


まだ、恋もちゃんとしたことがないのに…。