「 婚約者…ですか? 」


16歳の誕生日、

お母様からの言葉に驚かされた。


「 そうっ!!

美琴ちゃんは、20歳になったら

結婚するのよっ 」


満面の笑みでそう答える

お母様を見つめながら、

必死で言葉の意味を理解する。


私の家は、超が付くほどのお金持ち。

婚約者が存在する可能性を、

考えたことがなかったわけではない。


それでも、16歳の誕生日当日

朝から盛大に誕生日パーティーを

開いてもらい、夕方、

パーティーがお開きになった直後。

こんなにも唐突に告げられるなんて

考えてもいなかったから、

どうしても頭が混乱してしまう。


「 えっ…と、お相手の方は…? 」