3時間後、自分の目の前に広がる光景に

顔が真っ青になった。


私がこんなにも料理が下手だなんて、

思ってもみなかった。


お父様が冷蔵庫がぱんぱんになるくらい

用意してくれた食材も、

ほとんど残っていない。


なのに、食べられるものは

1つも完成していない。


あまりの絶望感に、乾いた笑い声が出た。


普段から料理は、やらないだけで、

やれば出来るものだと勝手に思っていた。



とりあえずなんとかしないと…


スマホを取り出し、

初心者向けの料理を調べる。


きっと、作りたかったものの難易度が

高すぎたんだ。そう思い込むことにした。


初心者向けの料理サイトで見つけた、

親子丼のレシピ。


丼といわれるものは

食べたことがなかったけれど、

とても美味しそうに見えた。



冷蔵庫を見て、足りないものを確認する。


荷物を持って、初めて一人で

外の世界へ踏み出した。