私の言葉を真剣に聞いててくれたお父様は

また少しの沈黙の後、

ゆっくりと返事をしてくれた。


「 美琴。美琴の考えは素晴らしいと思うよ。

でもね、美琴のしようとしていることは、

本当に大変なことだ。

だから、不安な時や、大変な時は、

すぐに私たちを頼ると

約束してくれないかな。

それでは意味がないと思うかもしれない。

けどね、美琴はまだ16歳だ。

親に甘えてていい歳なんだよ。

いや、これから先、

美琴が何歳になろうとも

私たちは美琴に頼ってもらいたい。

それが親の幸せだからね。

それを約束してくれるなら、

やってみなさい、一人暮らし。 」


すぐに了承をいただけるお願いだとは

思っていなかったし、

何回でもお願いする覚悟は出来ていたから

お父様のお返事に驚いた。

お父様のお気持ちや、お言葉が嬉しくて、

私は思わず涙を流しながら、

お父様に抱きついた。


「 ありがとう、お父様。

頼りたい時にはすぐに頼らせてもらうね 」


私の言葉に嬉しそうに笑ったお父様は


頑張りなさい。


と声をかけて私の背中をさすってくれた。