「華弥!華弥!クラス一緒だったらいいね!」
そう言ってきたのは前の席に座っている友達の小原 梨衣奈。今、私、山田 華弥は中学2年生で、先生に新しいクラスを発表されている。中学生最後のクラスだし、仲が良い人と一緒がいいな。そんなことを考えていると、クラス発表はいつの間にか終わっていたみたいで、
「華弥!やったね!同じクラスだよ!!」
「え!?本当!?梨衣奈!」
「うん!あと、なっちゃんも一緒みたい!!」
なっちゃんこと、三浦 菜津美は隣のクラスで、同じ仲の良い友達だ。これから楽しくなりそうで、私はワクワクしていた。こうして私は、3年4組となった。
始業式が始まるとのことなので、廊下に整列することになった。その時、教室のドアに貼られていたクラスの名簿表を何となく見ていたら、ある1人の名前をみて、目がテンになった。
「南越 隼斗」
え…?みなみこし?みなみごえ?何て読むの~!!!

「アッハハハハ!華弥ウケる!『みなごし』って読むんだよー!!」
始業式が終わった後に、なっちゃんに聞くと、爆笑されて、恥をかいた。みなごし君か…。どんな人なんだろう。
「なっちゃん、その南越君ってどの人??」
「えっとねー、ほら、あの背の高い人!」
そう言って、なっちゃんが後ろにいた2人組を指さした。1人は背が低くて反対に1人はすごく背が高い人。
かっこいい。
彼の第一印象は、この一言にすぎない。身長は見た感じ175㎝ぐらいで、そのうえ細くてサラサラの髪の毛で目は決して大きくはないけれどタレ目で笑顔がまた可愛くて。
「かっこいいね!」
「まあねー。うち的には可愛い系だと思う!!」
恋愛に興味のないなっちゃんですら言うのだから、結構モテるのかな。
だんだん新しいクラスに慣れた頃、席が近くて修学旅行も同じ班だったことから、深本 佳太という子と仲良くなった。お互い気が合うし、言いたいことを言い合える仲になっていった。
「ヤヨイー!俺の教科書もってこーい!」
「だからヤヨイじゃなーい!ってか自分で持っていけよー!」
私は深本からなぜか、華弥の「弥」が弥生時代の弥という単純な理由から、「ヤヨイ」と呼ばれている。もう、まったく…。そう言いながらもしぶしぶ私は深本の教科書を持ってきてあげた。
「おー!サンキュー!」
私はくたびれて、自分の席に座った。すると、私の出席者番号1つ前の山加 佐紅が、
「ねね、華弥さ、フッカーとどういう関係なん??」
「え、普通の友達やけど?」
「うっそぉ~!絶対フッカーは華弥のこと好きだって!」
ちなみにフッカーとは、深本のあだ名。それにしても深本が私のことを好きだなんて…。そんなことあるわけない。
それから7月になり、席替えが行われた。私は真ん中の列の後ろから2番目の席になった。前後の人も普通に話せる人だったから安心した。隣は誰になるだろう。人見知り激しいから不安でたまらない。すると、隣にやってきたのは、なんと深本だった。