「よかったぁ、恋愛の話じゃなくて」

「え!」

詩織が、ほっと安堵のため息を口からこぼした。それを聞いた私は、目を丸くして驚いた。

「いや、実はね、私の好きな人って、優太なの」

頬を赤らめながら、詩織は潤んだ瞳で私に言った。

「え、そうなの!」

もちろん彼女の好きな人は知っていたが、私は大げさに驚いて見せた。

ーーーーーー知ってるよ、詩織。

私は大げさに驚きのリアクションをしていたが、心では泣いていた。

「だから、ちょっと心配してたんだ。もしかしたら、梢が優太に告白されてるんではないかってね」

ーーーーーードキッ!

詩織に私の心を見透かされてるのではないかと思って一瞬、心臓がドキッとした。

「ないない。そんなこと」

私は、手をバタバタと振ってすぐさま否定した。