「お願いです、私を助けてください。この後、殺されるんです」

この写真が決定的な証拠だったのか、男性警官は、「今から君の家に行くから、この書類に名前と住所を書いて」と言って、椅子から立ち上がった。

「は、はい」

私はスマートフォンをポーチの中に戻し、書類に自分の名前と住所を書いた。

そして私は、パトカーに乗って男性警官と一緒に家まで向かった。





私が借りている京都の伏見区のアパートに着いたのは、夜中の一時ぐらいだった。

夜空には弓のような細い月が浮かんでおり、真っ暗な京都の街を淡い光で照らしている。

「とりあえず君は、アパートの中に入って待機していてくれ。私たちはアパートの外で待機して、不審の者が入ったら突入する」

「はい」

私は、警官の指示に従ってアパートの中に入った。

25年前の殺人者だということで、警官の人数とパトカーの数も増やした。