タイムリープ

『千春、一緒に幸せになろう』

『誰か、助けて………』

私が経験した過去の映像と共に、光の中にある時計がグルグルと反時計回りに回る。そして、光は消えた。






「はっ!」

私は、目を開けた。

視界が明るくなり、太陽が西に沈みかけた、日没前の薄明の空が無限に広がっていた。

「戻った………」

私は、ぼそりと呟いた。

京都の繁華街は人が多く、四方八方から声が聞こえる。

ーーーーーーどうやら神様が言った通り、本当に私が殺される前にタイムリープできたらしい。

私は、慌てて店に向かった。




「千春さん、仕事気をつけてね。まだ、希さんを殺害した犯人見つかっていないようだから………」

心配するこの新井俊の言葉、確かに私は一度訊いたことがあった。

「じゃあ、予約客がもうすぐ来るから。着替えて、個室に向かって」

「………」

私は結衣を殺害した、斎藤さんを個室で待つことにした。