タイムリープ

「じゃぁ、願え」

「うん」

私はハートのペンダントを握りしめ、戻りたい時まで願った。が、

「………」

「………」

何も起こらないまま、数秒間の静寂が訪れた。

「戻れないんですけど、神様………」

私は、首をかしげた。

「お前、あの結衣とかいう女が生きてた時まで戻ろうと願ったか?」

神様は、眉間にしわを寄せて私に訊いた。

「は、はい。願いましたけど………」

「それは、ダメだ!そこまでは、戻れない」

神様は、残念そうに首を左右に振った。

「ど、どうして?」

私は、叫ぶように言った。

「あの女は、お前に嫌な仕事を押し付けさそうとしていただろ」

「あっ!」

神様が冷たく言ったことを耳にして、私は彼女の言葉を鮮明に思い出した。