タイムリープ

「それと、もしまたタイムリープがしたくなったら、ペンダントに触れて、タイムリープと願うだけでいい。そしたら、私が作ったこの世界に転送される。タイムリープは一旦、この世界に来て私に会わないと出来ない仕組みになってる」

淡々と説明する、神様。

「タイムリープは、何回でも出来るの?」

私は、細い首をかしげて訊いた。

「バカか?何回も、出来る訳がないだろ。出来る数に限りがある」

神様は自分の頭を人差し指で軽くコンコンと突いて、バカにしたように言った。

「タイムリープ出来る数は教えられないが、出来なくなったら、そのペンダントはお前自身にも見えなくなる。つまり、持ち主の私の所に返してもらうことになるって言うことだ。そうなると、もうタイムリープは出来ない。もしもこれ以上に不幸な人生だったとしても、お前はその人生を歩まなければならない。分かったな」

「うん」

私は、うなずいた。そしてハートのペンダントを受け取り、首に下げた。

神様からもらったハートのペンダントが、私が動くと同時に微かに左右に揺れる。