タイムリープ

「言ってるだろ。私が、神様だから。お前が死ぬ場面を、この世界から見ていた」

淡々と説明する、神様。

ただの神様キャラを演じている子供の遊びかと思ったが、私の死を知っていたことに彼が本物の神様じゃないのかと一瞬思った。

「神様なら、どうして助けてくれなかったの？」

私は、不満そうな顔で言った。

「神が直接人を助けることは、出来ない。だから、今からお前を助けるんだ」

「今から………」

私は、細い首をわずかに傾けた。

「そうだ。私が作ったこの世界は、善人でなおかつ、一度も幸せになれず死んだ者が来れる、世界だ。そして、人生をやり直すチャンスを与えるのだ」

そう言って神様は、胸を張っていばった態度を私に見せた。

「人生を……やり直す………」

私は、パチパチと瞬きをした。

「そうだ。言わゆる、タイムリープって言うやつさ。お前にはまだ、生きるチャンスがあるんだ。よかったなぁ、悪い行いをしてなくて」

そう言って神様は、にっと笑った。