タイムリープ

《なんか被害者を殺害するときに取っ組み合いになって、左腕をケガしたらしいんだ。大したケガではないらしんだけど、三センチぐらいの切り傷が左腕に残っている奴が犯人らしいんだ》

「嘘でしょ………」

私は優太から送られたLINEの文面を思い出し、震えた声を出した。

ーーーーーー25年目の殺人者と同一人物………

この瞬間、私は電子掲示板に書かれていたことが本当だと思った。

「い、嫌………」

経験したこともない恐怖で一気に瞳に涙があふれ、持っていたスマートフォンがバタンと音を立てて床に落ちた。

ーーーーーープルプル。

そのとき、落としたスマートフォンから呼び出し音がけたたましく鳴り響いた。

液晶画面には、山田優太の名前が表示されていた。