タイムリープ

大学一回生のとき同じ文学部で出会って、そこから私は彼となかよくなり始めた。しかし、日を重ねるごとに友人関係から、私は彼を好きになっていた。

ーーーーーー好きだよ、優太君。

声に出さない限り、その想いは相手に決して伝わらない。

「殺人事件のニュースの話」

詩織が、淡々とした口調で優太に教える。

「詩織。それは、女性同士がするような会話ではないだろ。なぁ、清水」

読んでいた文庫本をパタンと閉じ、優太は顔をしかめた。そして、私の方に視線を向けた。

ーーーーーー私も、下の名前で呼んで。どうして、梢って呼んでくれないの?

そう思いながらも私は、「そうだよ。もうこの話やめよ、詩織」と言った。