「私も、優太のことが………」

「梢、それ以上言うな」

遮って、優太が私を強く抱きしめた。

私の耳に、優太のすすり泣く声が切なく聞こえる。

ーーーーーーどうして?どうして、私に告白させてくれないの?優太のことが、大好きなんだよ。

私は、泣きながらそう思った。

「梢、最初の告白は他の人にしろ」

さびしそうに言った優太の言葉を聞いて、私は「え!」と驚きの声を上げた。

「どうして?」

私は涙でグチャグチャになった顔を少し上げて、優太に訊いた。

「俺たちは、いくら好きでも結び合うことはできないんだ。だからこの先を生きる梢は、俺みたいなやつに最初の告白はするな!もったいないだろ」

彼の口から出た言葉は、まるで私を振ったようなセリフだった。

「もったいなくないよ!私、優太のことが………」

「梢。この先生きていたら、俺より好きな人なんてかんたんに現れるさぁ。だから、それ以上のことを言わないでくれ」

そう言って優太は、私をぎゅっと抱きしめた。