「優太………」

優太と過ごした大切な日を思い出すと、私の声が震えた。

こんなに彼のことが好きなのに、優太と別れないといけないなんて運命もひどいと思った。

「梢、好きだよ」

そう言って優太が、私の唇に軽くキスした。

優太のやわらかい唇が、私の桜色の唇と重なる。

「………」

「………」

とても静かな時間が流れ、私はゆっくりと目を閉じた。

私の瞳から一筋の涙が流れ、この時間がずっと止まってほしいと、心の中で思った。

「好きなのに、梢と別れないといけないなんて辛いな」

数秒後、優太は目を開けて悲しそうな声で言った。

優太の瞳にも、一筋の涙が流れていた。

「………」

私はぽろぽろと涙をこぼしながら、うんうんとうなずいた。

優太も、私と同じ気持ちだったことがよけいに辛い。