数十分後。講義室の壁掛け時計が午前九時二十分を差し、午後の講義が始まる十分前になっても詩織と優太は講義室には現れなかった。
「優太………」
私は、心配そうに彼の名前をつぶやいた。
優太が今まで遅刻することはなかったし、十分前には必ず講義室に入っていた。二人ともこの時間になっても現れないことに、不安の波が押し寄せた。
「ねえ、君」
不安そうに窓の外に目を向けていると、私の耳に女性のしんみりとした声が聞こえた。
「なに?」
私は、声のした方に視線を向けた。
私の瞳に、同じ学部の若い女性の姿が目に映った。
「今日の今朝のニュース見た?」
若い女性が、悲しげに訊いてきた。
「ニュース?」
私は、首をかしげた。
「昨夜の交通事故のニュース」
「ああ、ちょっとしか見てないけど………」
私は今朝、テレビで報道していたニュースをあいまいに思い出して言った。
確か、乗用車が歩道に乗り上げ、歩行者二人をはねたという、痛ましい事故だった。
「優太………」
私は、心配そうに彼の名前をつぶやいた。
優太が今まで遅刻することはなかったし、十分前には必ず講義室に入っていた。二人ともこの時間になっても現れないことに、不安の波が押し寄せた。
「ねえ、君」
不安そうに窓の外に目を向けていると、私の耳に女性のしんみりとした声が聞こえた。
「なに?」
私は、声のした方に視線を向けた。
私の瞳に、同じ学部の若い女性の姿が目に映った。
「今日の今朝のニュース見た?」
若い女性が、悲しげに訊いてきた。
「ニュース?」
私は、首をかしげた。
「昨夜の交通事故のニュース」
「ああ、ちょっとしか見てないけど………」
私は今朝、テレビで報道していたニュースをあいまいに思い出して言った。
確か、乗用車が歩道に乗り上げ、歩行者二人をはねたという、痛ましい事故だった。


