「……あたし、心をすっかり解放できる相手とじゃないと、心の底から、本当に、気持ちよくなれないような気がする」 美咲はおれの腕の中なのに、遠い目をしていた。 「あたしの場合は、死ぬほど好きな相手か、それとも後先のことを考えなくていい、行きずりの相手か……どちらかにしか、心を開けられないかもね」