今まさに、男を自身の胎内(なか)に迎え入れる、というときの女の表情が好きだ。 その女の、素の顔が露(あら)わになると思うからだ。 美咲が背をしならせて、甘く呻(うめ)く。 彼女の端正な顔が、この瞬間、苦悶の形相に歪む。 だが、その中に、淫靡な歓喜も混じっていたのをおれは見逃さなかった。 一瞬のうちに、相反する表情を見せた美咲は、神々しいまでに美しかった。