壁一面に、ずらりと並んだ部屋の写真パネルを目の前にして、 「……どこにする?」 おれは腕組みしながら美咲に訊いた。 「……ほんっとに相変わらず、強引なんだから」 美咲は呆れ果てた口調であったが、自らの人差し指で、あるパネルの下のボタンへタッチした。 天蓋が付いたベッドのある、アラビアンナイトに出てくるような部屋だった。 すぐさま、その部屋への道順の矢印が点灯し、おれは美咲の腰に手を回して部屋へ向かった。