ゴンドラがとうとう下まで降りて観覧車が止まった。 おれは美咲の細い手首をつかんでゴンドラを降りた。 それから、表の大通りに出て、大股でずんずん歩いていった。 おれに手を牽かれた小さな美咲は、歩幅も歩数も合わず小走り気味になっていた。 「……魚住くん、どしたの?怒ってるの?」 問いかけてくる美咲の言葉も無視して、おれはひたすら歩いた。