おれはさらに深く、舌を侵入させた。 そして、逃げ場がなくなるまでその舌を追いつめ、とうとう捕まえる。 あの頃夢見ていた美咲の舌は、蕩(とろ)けるようにやわらかかった。 このままずっとこの感触を味わっていたいと思った。 だが、ゴンドラは情け容赦なくどんどん下りていく。 もうすぐビルの中へ吸い込まれていく、というところで、美咲がくちびるを離した。