「……当然、同じ中学に行けるもんだって思ってたから」 美咲がゴンドラの窓の外を見ながら、ぽつりと言った。 ゴンドラはいつの間にかショッピングモールのビルを抜け、屋上が目の下になっていた。 「入学式に魚住くんがいなくて、本当にびっくりしたんだよ」 おれはなにも言えなかった。 「でも……あとから噂で知った……結構たいへんだったってこと」 美咲はそう言って、おれの顔を見上げた。 そして、ふっくらと笑った。 「……よくがんばったね」