こんなに真剣に走ったのは何年ぶりだろう。 タワービルに飛び込んだおれは、建物の奥のエレベーターへ突き進み、▲のボタンを押した。 息が上がり、肩が上下していた。 エレベーターというヤツは、急ぐときに限って、なかなかやってこないものだ。 おれは▲のボタンを押しまくってやりたい衝動を必死で抑えた。