「……夢みたい……本当に魚住くんがここにいるんだね……」 おれに組み敷かれた美咲がつぶやいた。 「また……突然、消えたりしない、よね?」 美咲がおれの頬を指でなぞりながら、少し不安げに尋ねた。 「ああ、しない」 おれは断言した。 美咲はにっこり微笑んだ。安心しきった笑顔だった。 「あ、そうだ……大人になったら、おまえに言うことがあったんだ」 そういえば、ちゃんと言ってなかったことに気づく。