「魚住くん、昔は、あんなにモテてたのにね」 美咲がくすっと笑った。 「あたし、あの頃、一生分のやきもちを焼かされたんだよ」 緊張が解けて、ホッとしたような表情だった。 自分は旦那がいるくせにいい気なもんだ。 おれはムッとした顔で、美咲の広い額をぴんっと指ではじいた。 ……おれはたった今、おまえの旦那に一生分のやきもちを焼いている。 「美咲、おれの質問に答えろよ」