わたしがまだ姫と呼ばれていたころ


「ふたりのカレとの状況を見たところで、いよいよ結論に行きますか」

「はい」

「じゃ、左側のカード。今のカレのほうからね。これは『塔』」

「これって……」

「リナは、何を感じた?」

「塔が崩れてるんでしょ? もうダメってこと?」

「まぁ、簡単に言うと」

「やっぱ、そうなんだ……」

「思い当たることがあったのね?」

「うん。さっき、カレが浮気してるかもしれない、って言ったでしょ」

「うん」

「このごろ、昼間のデート、ずっとしてないんだ」

「じゃ、夜とか?」

「ううん。サークルで会ったときに、帰りにみんなで夜ごはん食べて終わり」

「それって、デートじゃないね。ごはんのあと、ふたりでどっか行ったりしないの?」

「うん。カレが次の日、朝からバイトだって言うから」

「そう」