「これからシャッフルするから、その間、カードを見つめながら、リナの訊きたいことを念じてみて。質問は、具体的にね」
「うん、わかった」
姫は一呼吸置くと、両手でゆっくりとカードの山を崩し、時計回りにかき混ぜはじめた。リナも真剣な表情だ。
「これでいい、って思ったら『ストップ』って合図して」
「うん」
裏向きのカードは、紫のクロスの上でどんどん広がってゆく。
「ストップ!」
リナの合図で、姫は手を止めるとカードをかき集め、最初のようにひとつの山に戻してから静かに言った。
「これから、このひと山になったカードをいったん三つの山に分けます」
リナは黙って、うなずいた。
「わたしがカードを上から少しずつ落としていくので、途中で二回、さっきみたいに『ストップ』をかけてね」
「はい」
いつの間にか、リナの返事が改まっている。


