「………か、笠原、なんなんだ。没収されるのが嫌なら、授業中に使うんじゃない。

とにかくこれは没収だ!放課後に取りに来なさい!」


教師は少しびっくりしたようだったが、それでも動じることなく私のスマホを持っていってしまった。


「………あ」


私は脱力し、机に突っ伏す。


周りからクスクス笑う声が聞こえてきた。


「いまのすごかったね。笠原さん、あんな声出すんだ」
「つか、すげーモロにスマホいじってなかった?あんなの絶対バレるって」


そんな嘲笑も全く気にならない。


(……どうしよう。どうしよう。スマホがないと更新できない。読者の人を待たせちゃう。おかしいと思われちゃう。

あの人に読んでもらえなくなっちゃう………)


少しだけ顔をあげて、冬室くんの席を見る。

彼も私を見ていた。

眉をひそめた、心配そうな顔をして。