(……小説、か)


もともと読書は好きだった。

でも、自分で書こうだなんて思ったことはない。

だけど、…そのとき私は妙にそのサイトのことが気になって…

気づけばアプリをダウンロードしていた。


(泣ける、とか言ってるけどさ……私たちみたいな素人が書いたものでしょ)


でも、あの子たちはあんなにその小説の話で盛り上がってる。

それほどその小説って凄いものなのかな。

書いた人ってどんななんだろう。

あの子たちみたいな、目立つタイプの人間?

それとも案外私みたいな……?

だって、どんな人が書いたかなんて、読者にはわからないじゃない。

(それなら………)

私も………私だって………



ーーそうして私はそのサイトに小説の投稿を始めた。


話の内容は、ふと思い付いたちょっとしたことを膨らませたり、好きなマンガやドラマからヒントをもらったり。

はじめは、全く読んでもらえなくてつまらなかったけれど、毎日書き続けるうち少しずつ読者が増えていった。

初めて物語を完結させたとき、たくさんイイネをもらってすごく感激したのを覚えている。

『泣きました』というコメントを見たときは、あのときの女子グループの話の中心に自分がいたかのような………そんな何とも言えない嬉しさを感じたものだ。


そうして私は小説の執筆にハマッていった。

別に将来作家になりたいとか、そういうことは思っていない。


ただ、小説を書くのは私の生活の一部。

私の………居場所のようなものかもしれない。

イイネや、コメント、マイページにつく足跡。

それが私にとっては大切なつながり。

私なりのコミュニケーションなんだ。