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(ぎゃああああああ……ああああああ!!)


心の中で絶叫を繰り返す私。

握りしめたくじには『バスケットボール』と書かれている。


……あのあと。

男子の種目が無事に決まり、女子の話し合いが始まった。


私はソフトボールに立候補……のはずが、冬室くんのことが気になっているうちに、しそびれてしまったのだ。

…もしかしたら、後ろめたかったのかもしれない。

私には関係ないのに。


とにかく、立候補しないと、余った枠に入れられることになる。

女子はバレーボールが人気で、サッカーやバスケにあきが出来ていた。


サッカーかバスケか……

残った女子同士で話し合ってもなかなか決まらず、最終的に恨みっこなしのくじ引きをすることになった。


そして、その結果

私の手には『バスケットボール』と書かれたくじが握られている。


(……どうしよう。私、まともにドリブルもできないのに)


くじを握りつぶして、ひそやかにため息。

それから、ふと、また冬室くんに目を向けた。

すると、私の視線に気づいたようにこちらを向いて

小さく微笑んだ。