「……あーあ、もうやめ。とりあえず忘れる」


首を振って、もやもやした考えを追い出すと、再びベッドにダイブする。


冬室くんのことはとりあえず保留にしてしまおう。

どうせうそやイタズラなら、私が変な反応でもしない限り、向こうが飽きて終わりだろう。


「……それより、今日は学校で更新が出来なかったな。夜はたくさんしないと」


日課のアプリを開いて、小説編集のページを呼び出す。

するとたくさんのイイネやコメントを知らせる通知が来ていた。


「……わ。また増えてる」


私はワクワクしながらそれを確認していく。

『ドキドキしました』『続きが気になる』『切なくて泣けた』

そんなコメントを読みながら、自然と口角が上がっていくのがわかった。


「……ふふ。やっぱり一度でもランキングに入るとすごいな」


現在連載中の小説を開く。

そこには『デイリー20位』のアイコンがついている。


「このままならそのうち10位以内に入れるかも……。
やっぱり人気ジャンルにしてよかった」


今、毎日更新している小説。

高校生が主人公の恋愛もの。

もともとの私の得意分野だけど、今回は少しテイストを変えている。

ヒロインの好きな人は重い病気に犯されていて、まだラストまで書いてはいないが、死別をにおわせる悲恋ものだ。