ディーゼルエンジンの鼓動に微睡み、列車が「西北見駅」から発車するのを欠伸(アクビ)を噛み殺しながら待っていると、車両前後のドアが開かれた。 男女問わず学生服を着た無数の中高生達がぞろぞろと乗り込んでくる。 カツカツと数えきれないローファーの底が掻き発てる足音は、正に烏合の衆。 ・・・数々の足音に紛れ、一人の足音のみ際立つ。 決して物理的に煩い(うるさい)訳では無いが、私にとってその足音だけは実に耳障りだ。