翌朝


「本当に寝なかったのかよ…
八木さんに体拭いてもらえ」


「体くらい自分で拭ける」


「ええから!おいで!」





八木の妻が、娘の背中を拭く

「土方君からね、たのまれたんよ
あなたが酷いことされて、傷だらけじゃないか、見て欲しいって
よかった!綺麗な肌ね!」


「傷は、残らないからな」


「え!?何かされたの?」


「されるだろ…普通
ここでも拷問受けると思っていた
なのに、布団が敷かれたり
体を拭いて貰ったり
ここは、普通じゃない
特に、土方はおかしい」


「ふふふっ あなたに気があるからよ!」


「本当…おかしい」




着物を着替え、土方の部屋へ



「綺麗でしたよ!」



報告を聞き、安堵する


「よかった」


土方が娘の頬に手を添え


「もう、大丈夫だからな」


ニコリと笑った



「しばらくここで過ごす許可は貰った
家を用意してやるから、それまで
皆と仲良くしてくれ」


「仲良く?」


「そうだ お前を俺の妻にする
皆と仲良くしてくれるよな?」


「妻?」


「/////お前に、惚れたんだよ!!!」


「やっぱり、おかしい
私に惚れ気など、正気ではない」


「にゃぁーん」


「ほら!猫は、歓迎してるぞ!」


「この子は、土方を気に入ったようだが
私は、妻になったりしない
拷問がないのは、嬉しいが
縄で綱いでおかないなら、逃げてもいいということだな」


「ここにいろよ
行くとこあるのか?
あいつらに捕まったら、大変だぞ?」


「土方さーん!朝餉ですよ!!」


「おう!今行く!  行こうか」


「私にも…あるのか」


「当たり前だろ」


「……これじゃ、なんかお客様だ」


「お客様だろ?」


「……私の事を知らないのに、どうして?
なぜ、優しくするのだ?」


「惚れたからだって、言っているだろうが」



プイッと顔をそらし、赤らめた耳



娘は、土方を見つめた



「にゃぁーん」


猫に促され



「私の名は、紅音(アカネ) この子は、蒼(アオ)」




「そうか!紅音よろしくな!」