理科の授業をぼーっと聞いてたら、いつの間にか終わってた。


もう、休憩時間。



どうしよう?



大輝に聞いてみよっかな?


「里奈、ほら行くよ!」


なんてそわそわしてたら美穂が私を呼んでるのに気付いた。



「ま、待って!」



美穂は本当、準備が早いな。



私はまたも慌てて理科室を後にする。


「里奈、大輝と同じ高校行けば?」



え?




あまりにも美穂が唐突に言うもんだから、私は危うく持っているペンケースやら教科書やらを落っことしそうになる。


あっぶな。


「なっ、どうして急に!?」


「だって、里奈、大輝と離れたくないんでしょ?」


美穂、もうちょっと声のボリューム下げてほしいな。


「べ、別に私は、家が隣同士だし会おうとすれば会えるし」


思わず、誤魔化すような口調になる。


「そ?……でもいいの?高校生にもなるといくら隣同士だからって毎日会えなくなるんだよ?」


美穂の言葉に私は一瞬、フリーズしかけた。



毎日会えなくなる?



いつも当たり前のように顔を見合わせているのに?


「私は、そんなの…嫌かも」


やっぱり私は高校生になるのは怖い。



高校生になったら



私は大輝といられなくなるのだろうか?



そんなの、そんなの!


「言うと思ってたよ、里奈。じゃー、頑張ってね! 」



頑張って?



何を?



美穂が私の肩にポンッて手を置いたと思えば、スタスタと歩いていく。


はて、 私は何を頑張るの?