久しぶりの愛里との待ち合わせは、区内の図書館だった。


夏休みといえば、エアコンのきいた図書館が定番で、中学のころからよく愛里と通った場所でもある。


愛里が誘ってくれたことがうれしくて、時間よりずいぶん早くついてしまった。


適当に席を探していると、ちょうど椅子が二つあいてる席を見つけて、急いで場所をとる。


宿題やりながら話を聞かせなさいよ?なんて愛里には言われたけど、宿題なんてとっくの昔に終わらせていた。


だけどせっかく愛里がそう言ってくれたのだから、ことわるなんて選択肢はない。


大きめのトートバックの中には、もう終わってる宿題がギッシリつめこまれていた。



「美羽!」



そう声をかけられて振り返った。


なつかしい愛里の声。


まだ何週間かしか会っていないだけなのに、もう何年も会っていないような気がした。



「愛里!久しぶり!元気だった?」



「見てのとおり、部活で真っ黒だよ。美羽は?元気だった?ていうか、いつの間に三浦くんとそんなに仲良くなったのよ」