「……小学校に入ったばっかりの頃にね?クラスの男子にからかわれたの。背がそのころから小さかったんだけど、100㎝もなくて……チビとかいろいろ言われたんだ。髪の毛も長くて二つに結んでたんだけど、それを引っ張られたりしてね?男子がみんなやってたわけじゃないんだけど、それから怖くなって……話せなくなった……」



そうなんだ、とか、つらかったね、とか、なにかしらの言葉をかけてくれると思ってたのに、三浦くんは、だまったままじっと私の話に耳をかたむけているだけだ った。


それからフッと笑って、ボソッと思いもかけない言葉をかけてくる。



「可愛いといじめたくなる男の心理……って言ってもわかんないか……」



「えっ?」



おもわず聞き返すと、三浦くんはクスクス笑いながら話を続ける。



「好きな子にはいじわるしたくなるんだよね?特に小学生とかって」



――それって、いじめられてたのは私のことが好きだったからとか言ってる?



「きっと、可愛かったんだろうね?」



「はっ?え……いや、そんなことは……」



「そいつらも、今ごろきっと後悔してるよ」



同じ年なのに、こんなに落ち着いてる三浦くんは、ほかの男子とは明らかにちがってた。