別にだれかが悪いとかそういうわけじゃないってこと。


自分に問題があるんだってこと。


だから、三浦くんはなんにも悪くなくて、勝手にさけてた私が悪いんだって必死に伝えた。



「だからさ、そのきっかけはなんだったの?そのせいで、丸山は少なからず傷ついて、それで自分を守るためにそういう態度に出たってことでしょ?」



頭のいい人はきらいじゃないけれど、やけに察しがいいところは愛里と同じで苦手だ。



「……前に……男子が話してるの、聞いちゃったんだ……」



気づいたら、そう話しはじめてた。


自分でもビックリするくらいスラスラと言葉が出てくる。



「私に話かけるのは、愛里と仲良くなるためだって……そんな道具になるくらいなら、関わりたくないって……思ったの……」



三浦くんは、何も言わなかった。


過去の記憶をたどるように、右手を口にやりながら、どこか遠くを見てる。


それから何か思い当たったような顔でまた私に視線をもどした。



「……もしかして、あの時、聞いてた?」



コクンとうなずくと、三浦くんは小さく息をはいて、気まずそうに天をあおいだ。



「ごめん……」