「いや!全然!三浦くんはなにも悪くないから!だから、気にしないで?ねっ?」



そう言ってしまってから、しまった!と思った。


当然、三浦くんは私の言葉に敏感に反応してくる。



「俺はって……やっぱりだれかほかのやつになんかされた?」



本気で心配そうに聞いてくれる三浦くんに、どう答えていいのかわからなくなる。



「……あの、別にだれにもなんにもされてないから……」



実際、なにかされたわけじゃない。

だから私はそう答えた。

それでも三浦くんは納得いかないような顔で、私の顔をじっと見る。



「うそ……だよね?なんかあったから男子をさけるようになったんじゃないの?俺も実はその中に含まれてて、だからさけたんでしょ?」



優しい言い方だけど、有無を言わさぬ強さがあった。


でも三浦くんのこともほかの男子と同じだと思われたくなくて、私は必死にうったえる。



「だから!三浦くんは、ちがうって……」



「じゃあ、そのちがう理由を聞かせてよ。そしたら納得するから」



真剣なまなざしは、目をそらすことを許さない。


私は蛇ににらまれた蛙のような気分になって、ゴクリとのどをならした。