初恋マニュアル




「なに?」



すっかりリラックスモードでなにげなく返事をすると……



「学校で……なんかあった?」



遠慮がちに私の目をのぞきこむ三浦くん。



――そうだった!聞きたいことあるとか言ってたっけ!



お店の雰囲気とおいしいお水に気をとられて、すっかり忘れていた。


それにやっぱり話ってそのことだったんだと、コクンとつばをのみこむ。



「な、なんにもないよ?なんで?」



そう答えたけど、信じてもらえるわけもなく……



「なんか、最後の方……元気なかったし、俺のこともさけてたでしょ?」



――うっ……どうしよう……否定できない。



ダイレクトに聞かれて、なんて答えていいのか迷った。


だまったままうつむくと、三浦くんが言いづらそうに言葉を続ける。



「いや、俺なんかしたのかなって気になってて……もしそうならあやまりたいっていうか……」



そんな風に言われて私はあわててそれを否定した。