初恋マニュアル




「決めた?」



そう聞かれて、あわててなににするか決める。



「あ、うん……じゃあ、アイスティーで」



「あ、同じ」



同じって言われただけなのに、なんだかすごくどきどきした。


その間に三浦くんはすいませーんと、奥のお姉さんに声をかけてる。


すぐにさっきのお姉さんが現れて注文を聞くと、またからかうように同じのなんて仲がいいのね?と楽しそうに笑った。


ついでにさっきのレモン水をつぎ足していってくれる。


美味しいね?とまた三浦くんに伝えると、彼はまた満足そうに笑った。



――この店が本当に好きなんだな……



わざわざ、ただの友達を連れてきたくなるくらい自慢のお店なんだと思った。


もしかしたら、お店だけじゃなく、お姉さんも自慢なのかもしれない。


そんなことを思っていると、ふいに三浦くんがまじめな顔でこっちを見た。



「そういえばさ」



そう言われて、手にしていたグラスをそっとテーブルに置く。