――今日が終業式で良かった…… 明日から夏休みなのが、せめてもの救いだ。 本当はそんな風になんか思っていないのに、わざとそう思い込むようにする。 夏休みの時間を一人で過ごさなきゃならないかもしれないってことは、考えないようにしていた。 鼻の奥がつんとする。 私はあふれそうになる涙をこらえながら、前を向いて先生の話に耳をかたむけるふりをした。