ドキリと胸が鳴って、心臓の音がうるさいほど聞こえてきた。


でもうまく笑えない。


あいまいにうなずくことしかできなくてそんな自分を見られたくなかった。


私はそそくさとその場を立ち去り、自分の席へともどる。


三浦くんに失礼な態度をしてることはわかってた。


だけど自分の顔が張り付いたみたいにうまく表情が作れない。


席についてからも、彼の方を見ることができなくて、机の上をただじっと見つめていた。


気配で三浦くんが私の方を向いているのがわかったから……。


勝手に好きになって、勝手に三浦くんの言葉に傷ついて、私は一人ですねてる。


彼が悪いわけでもなんでもないのに。



「はあぁ……」



盛大なため息をついたとき、愛里がこちらを向いたのがわかった。



「ねぇ、美羽さ…」



愛里がためらいがちに私に声をかける。


言いたいことはわかってた。


最近の私の態度についてなんだろう。


だけど私はわざと明るく返事をする。



「ん？なあに？」