終業式の日――



梅雨も終わりを告げて、窓からは痛いほどの日差しが教室内にふりそそいでいる。


エアコンがあるおかげで快適には過ごせているけれど、学校の行き帰りは地獄だ。


日焼けしないように気をつけなきゃならないし、電車やホームはいろんな人のにおいや湿った空気であふれかえってる。


でもそれも今日で終わりだ。


明日から夏休みだからなのか、みんなそわそわしてるように見える。


私はといえば、ゆううつな毎日を明日から送らなくていいと思うと、ホッとしていた。


先生が一人一人の名前を呼んで、通知表を手渡すのをながめながら、自分の番が来るのをひたすら待つ。


たいしていい成績でもないのはわかりきってるから、欲しくもないのだけどこればっかりは仕方ない。


男子から呼ばれ始めて、ようやく女子が呼ばれ始めた。


丸山は『ま』だから、まだまだ最後の方になりそうだ。


ふと三浦くんの方に視線が引き寄せられて、開いた通知表が目に飛び込んできた。


そこには5段階評価の4と5が、たくさん並んでる。


――頭、いいんだな?