「なんだよ、そんな怒るなよ、冗談だって」



他の男子が三浦くんにあやまってる。


正直、あんな風に言われてすごくショックだった。


でも、三浦くんがかばってくれたことの方がうれしくて、涙があふれた。


声がもれそうになるのを必死にこらえてその場から急いで立ち去る。


傘はもうあきらめていた。


これ以上待ってても、見つかるだけだ。


階段を一歩一歩降りていく。


足がふるえるのがわかった。


男子が考えてることなんか、あんなもんなんだってわかってはいたけど……直接聞いちゃうと、やっぱりショックだった。


でも……三浦くんは違った。


それはうれしかったはずなのに、なぜかそう思うだけで胸が苦しくなる。



――私、三浦くんが……好きなの?



ずっと気になってた三浦くんに対しての気持ちは、友達としての好きだって思ってた。


愛里に対するものと同じものだって。


だけど、男の子だから愛里とはちょっとちがうような気がしてるのかもって。


自覚した感情は私をとまどわせた。