私には愛里がいるけど、三浦くんにはだれもいない。


たくさんの友達に囲まれてるように見えて、実は誰にも心を開いてないんだと思った。


好きとか嫌いとか、もうそんなのはどうでもいい。


恩返しがしたい、そう思った。


私をはげましてくれた三浦くんはきっと自分も辛かったから私の闇に気づいた。


どうして私をいつも心配してくれるのかっていつか保健室で聞いたとき、三浦くんはせっかくの高校生活なんだから楽しまなくちゃって言ってた。


あれは自分にも言い聞かせていたのかもしれない。


お兄さんのために、ちゃんと生きなきゃって。


できることは全部やって悔いのないように毎日を大切にしなきゃって。


きっとそれがお兄さんへのつぐないなんだと、三浦くんは思ってる。


だから今度は私が彼をはげましたい。


言葉じゃなくて態度で。


そばにいるよってわかってもらえたら……


フラれたくせに図々しいのはわかってる。


でもそれでも三浦くんの傷を少しでもいやしてあげられたらって思ってる自分がそこにいた。