「追いかけるよ?」
「う、うん」
あわてて立ち上がって、早苗さんの後を追いかける。
カウンター席から見える場所に扉があって、どうやらそこからが住居になってるらしい。
ちゃんと玄関もあって、早苗さんは先に上がってた。
「おじゃま……しまぁす」
おそるおそるそう中に声をかけて、私たちは靴を脱いで部屋に上がった。
廊下のすぐ右隣のドアが開いていて、のぞいてみると早苗さんが壁に向かって立っていた。
「早苗さん?」
声をかけたのは愛里で、それに気づいた早苗さんがこっちを見て手招きした。
足を踏み入れるとそこはリビングとキッチンがつながってる部屋で、壁は備え付けの収納スペースになっている。
早苗さんの前の収納扉だけが開いているのに気づいて、近寄っていく。
そこをのぞきこんで私たちは言葉を失った。
早苗さんはそんな私たちをその前に誘導して、誰かに話しかけるみたいに語りかける。
「俊弘、孝弘くんのお友達が来てくれたよ?こんなに可愛らしい女の子が二人も」

