「孝弘くんが、女の子連れてきたの初めてだったから、私はてっきりそうなんだと思ってたのに……」
あごに手を当てて早苗さんは、考え込むように黙りこんだ。
「いや、あの……あれは私を元気付けようとしてくれただけで……」
あのとき、三浦くんだって否定したはずだ。
早苗さんから彼女?って聞かれて、友達ってハッキリ答えてた。
「あぁ……ごめんなさい?でもフラれたってことは、美羽ちゃんは好きなのよね?孝弘くんのこと」
真っ直ぐに見つめられて、私はうなずくことしか出来なかった。
だって、今さらだ。
そんなこと再確認されてもみじめなだけ。
フラれたくせに、それでもあきらめきれなくて、みっともなくあがいて、こんなとこにまで来ちゃってる。
おまけに早苗さんに無理矢理聞き出そうとしてるなんて……
最低だ……私。
ギュッとひざに置いたこぶしをにぎりしめて、私はうつむいた。

