「そういえば、名前聞いてなかったわね?」



ふいにそう言われてあわてて飲んでいたココアをテーブルに戻す。



「あ、私は丸山美羽です」



「須藤愛里です」



自己紹介してペコリと頭を下げると、今度はお姉さんが口を開いた。



「私は三浦早苗。よろしくね?美羽ちゃん、愛里ちゃん」



当然だけど、早苗さんの苗字は三浦で、改めて三浦くんと親戚なんだなと思う。



「早苗さんは三浦くんのお兄さんとは同じ歳なんですか?」



単刀直入に突っ込んだのは愛里で、私はその質問にドキッとしてしまう。


早苗さんは少し恥ずかしそうに、うんと答えた。



「私は今年で25になるの……」



その言い方に少しだけ違和感を覚えたけど、愛里は気付かないみたいだ。



「そんな風に見えないです。もっと若いのかと思いました」



「そう?ありがとう。愛里ちゃんは大人っぽいよね?」



「あー、よく言われるんですよ。特にこの子といると、お姉さんに見られちゃって」



「あは、そうだね?美羽ちゃんは童顔だし、可愛らしいから」