そのときーー



「おまたせしました、ご注文はお決まりですか?」



ちょうどお姉さんがにこやかに注文を取りに来て、私の背中はすごいいきおいでまたピンと伸びる。




「あ、私はこのダージリンティーと、チーズケーキで」



ボーッとしている間に、愛里がサクサク自分の分を注文した。


私もあわててメニューに目を走らせて、結局愛里と同じものを注文する。


頼まれたものを復唱して少々お待ちくださいね?と戻ろうとしたとき。



「あら?あなた、確か孝弘くんと一緒に来てた子よね?」



――覚えててくれた!



うれしさと緊張で心臓の音が激しくなっていく。



「は、はい!」



「お友達と来てくれたのね?ありがとう」



「は、はい!」



「ゆっくりしていってね?」



「は、はい!」