試験一週間前――



久しぶりの愛里との帰宅に、私はすごく浮かれていた。


いつもは部活が終わってから、愛里は私の家に帰ってくる。


同じ家に帰るんだから、部活が終わるまで待ってるよって言ったんだけど、愛里は大丈夫だからってすぐにそれを拒否した。


お世話になる上に、部活の時間まで私を待たせるなんてとんでもないって意味だったみたいだけど、特に用もない私はちょっぴり残念だった。


宿題とかやっとけば?なんて、お母さんみたいなことを言う愛里は、もちろん部活で忙しくたって成績は私より数段上。


仕方なく先に帰って宿題を終わらせて、愛里の帰りを待つのが日課になっていた。


だから久々の愛里との帰り道は楽しくて、私はすごくはしゃいでいたんだと思う。


途中の駅で降りて、ドーナツでも食べていかない?って誘ったのも私だ。


愛里は苦笑いしながらあきれたように私を見る。



「試験前は勉強するために部活がないんだよ?わかってる?美羽」



あきれたようにそう言いながらも、最後はちゃんと付き合ってくれるんだからやっぱり愛里は私に甘い。